その人なりの人生探し

もっとも私がやりがいを感じるのが、社葬・お別れ会といった葬儀のカタチになります。それは単に大型であると言ったことではなく、ご遺族や関係者の方、そして故人様ともひとつになれる実感を感じることが出来るからかもしれません。

知りたい思い

大切なのは人生を知ること

お葬式の場で、故人の活躍や功績を知ったりする家族がいます。

故人を知らなくても、家族の友人は駆けつけて言葉を投げかけてくれます。そんな昔ながらの葬儀の役割を強く残しているのが、社葬やお別れ会と言ったものだと考えております。様々な思いや力を借りたお葬式、こうした形で遺族は支えられてきました。そして事業を継承されます。


知ることから

いわゆる打合せとなるのですが、祭壇を決めたり、装飾や返礼品と言ったいわゆる当たり前の打ち合わせは一番最後になります。

先ずはその方がどんな人生を歩まれたのか、ご家族の言葉を伺い、沢山の在りし日を思い出していただくのですが、それでも情報は偏ります。活躍をされた職場の方やご友人、場合によってはご遺族におねがいして、ご兄弟やご親戚などにもおたずねいただき、故人様を探します。

人生ドラマを

取材した故人像は、私のナレーションを用いて一つのドラマにします。開式前にこの故人の人生ドラマを約10分の時間をかけてゆっくりとご披露させていただくのです。あくまでも淡々としながら、事実のみを伝えます。

会場では、故人を思いなががら、いつの間にか静寂に包まれ、着席が整い、大きな遺影を前にした時に、やがて開式の時間を迎えるのですが、

カタチを共に

目の前にした祭壇は、単に好きだったものを形にするのではなく、その方の人生を感じるようなものを提案します。その形はリアルを追求しすぎません。それが思うという事の手伝いであり、生花の持つ力だと考えるからです。

そして、音、絵、写真、においなどを駆使して、故人の在りし日を感じる空間を演出します。人の命に限りがあったとしても、記録は何時までも心に残すことが可能なのです。


不思議な感覚を感じることがあります。

こうした打合せからご一緒させていただいたのちに、慌ただしく式の準備をしながらふと「この人に会いたかったなあ」と思う事があります。何よりもその方の人生を感じでその時その時の様子に興味がわいてくるのです。

また別の時などは、遺影を眺める私の後ろに立った関係者の方から、「この人はね、とても暖かい人だったんだよ」と声をかけられた時に、「はい、そうでしたね」などと応えてしまったぐらいに、感じ入ってしまったこともあります。こうしたふとした瞬間に、素敵なお仕事をさせていただいていると感謝するばかりなのです。